第45回日本臨床分子形態学会総会・学術集会 会長 上野 隆登 |
この度、第45回日本臨床分子形態学会総会・学術集会の会長を仰せつかりました。伝統ある本学会の総会・学術集会を福岡の地で開催できることを大変光栄に思っております。
これまで第14回を私の恩師、久留米大学医学部消化器内科名誉教授の谷川久一先生が福岡県久留米市で、第41回を私と同じ教室の先輩にあたる現理事長の福岡大学医学部消化器内科教授の向坂彰太郎先生が開催されておられます。
私は1985年に本学会に入会いたしましたが、その当時透過型・走査型電子顕微鏡を駆使した超微形態学的研究が花盛りの時期と記憶しております。この学会は基礎・臨床かつ全身を網羅する形態学の研究者や学生が集う学会で、この学会での発表を通して厳しい質問やコメントを受ける緊張と発表を無事終了できた満足感を味わえたものです。現在も当時の印象が蘇ってまいります。多くの会員の皆様も私と同様の体験をお持ちと思います。他の学会では味わえない本学会のすばらしさを、将来に伝え本学会が更に発展していくことが必要かつ重要であるとの思いで、今回の総会・学術集会のテーマを“躍進”とさせていただきました。
今回、特別講演(1)として九州大学農学部大学院 遺伝子制御学分野 教授 久原 啓先生による遺伝子発現解析を用いた分子マーカーの探索に関するご講演を、特別講演(2)として理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター網膜再生医療研究開発プロジェクトリーダー 高橋政代先生によるiPS細胞と網膜再生医療に関わるご講演を、教育講演として熊本大学大学院生命科学研究部 形態構築学分野 教授 福田 孝一先生にニューロンの超微形態からヒト脳組織アトラスデジタル再構築までの縦断的探求に関するご講演をお願いいたしております。更に、本邦留学中の研究者や、大学院生、若手研究者の英語発表による国際シンポジウムを企画しております。一人でも多くの本学会会員に集っていただきたく、主題・一般演題ともに基礎・臨床の会員二人による座長を企画し、一般演題セッションには一名のコメンテーターに有意義なコメントをお願いする予定です。更に主題、一般演題の中からプログラム委員に優秀演題を選考していただく運びになっております。
開催時期が9月の13,14日とまだ残暑厳しい時期ではありますが、納涼を兼ね、博多湾クルーズを楽しみながらの懇親会も予定いたしておりますので、一人でも多くの皆様のご参加を切にお願い申し上げます。尚、開催期間中男性はノーネクタイ、女性はカジュアルな服装でご参加ください。